瀬をはやみ

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ああ、もう面倒くさいな! 「早百合、です! もういい?」 半分キレながら、私は強引に手を振りほどくと、猛ダッシュで教室に向かう。 残念ながら、体育2の脚力ではすぐに追いつかれたけれど。 「そんなに照れなくてもいいじゃないか。 俺が興味持ってあげたんだから、もう少し素直に喜んでも」 はあ? こいつ、私が照れてると勘違いしてるわけ? どんだけ自意識過剰の妄想バラ色お気楽男なんだ。 「申し訳ありませんが、私があなたに興味を持つことはないので、私への興味も今すぐ捨ててください」 「え?」 またしても固まってしまった、なんちゃら海斗。 私はその隙に、さっさと3年2組の教室に入ったのだった。 既に来ていたことみが走り寄ってくる。 「ねえねえ、鈴宮君がある女子を探してるって、騒ぎになってるみたいだね」 「ああ、鈴宮、そんな名前だったっけ」 と、やっと”なんちゃら”が解消された私は、ちょっとすっきりした。
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