511人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこだっていいでしょう?」
ことみを放置して、サクサク歩く私の後を、もぐもぐと口を動かしながらついてくる鈴宮。
「ついて来ないでください!」
「ええー?
君と俺は切っても切れない仲なんだよ」
「その縁、細胞レベルで切り刻んであげますけど」
仕方なく私は、ぴたっと足を止めると、振り返って念を押した。
「ついてこない方がいいですよ?」
「そんな照れなくってもいいって」
どこまでもポジティブな彼は、意気揚々と私の後をついて入った。
女子トイレに。
「うわー!!」
悲鳴を上げながら走り去る彼。
私は解放された安堵感で、ため息をついた。
鈴宮がどういうつもりかはわからないけど、どうせすぐに飽きるに決まっている。
私は極上のいい女になって、大誠さんの射程距離に入るという目標があるんだから!
最初のコメントを投稿しよう!