瀬をはやみ

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「どこだっていいでしょう?」 ことみを放置して、サクサク歩く私の後を、もぐもぐと口を動かしながらついてくる鈴宮。 「ついて来ないでください!」 「ええー? 君と俺は切っても切れない仲なんだよ」 「その縁、細胞レベルで切り刻んであげますけど」 仕方なく私は、ぴたっと足を止めると、振り返って念を押した。 「ついてこない方がいいですよ?」 「そんな照れなくってもいいって」 どこまでもポジティブな彼は、意気揚々と私の後をついて入った。 女子トイレに。 「うわー!!」 悲鳴を上げながら走り去る彼。 私は解放された安堵感で、ため息をついた。 鈴宮がどういうつもりかはわからないけど、どうせすぐに飽きるに決まっている。 私は極上のいい女になって、大誠さんの射程距離に入るという目標があるんだから!
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