年下男の視点

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「よくわからないけど、もう卒業したんだから、追いかけっこもそろそろ飽きたでしょう?」 追いかけっこ……俺の猛アタックはそう思われていたのか。 「鈴宮も今年は受験生なんだし、私に構ってる場合じゃないんじゃない? 女の子をからかうのも、ほどほどにした方がいいよ」 「か、からかってない! 俺は本気のマジだ!」 「それ、意味がかぶってるから。 そんなので受験、大丈夫なの?」 「お、俺の家庭教師やって! 俺もさゆりんと同じところに行くから」 口にしてから、ナイスアイデアだと思った。 そうだ、さゆりんは名門の四年制大学に進学するんだから、ぴったりじゃないか。 「え、鈴宮、K大受けるの?」 本気でびっくりしたらしいさゆりんが、眦(まなじり)の上がった目を軽く見開く。 え、そんなに意外だった? 「あ、俺、理系より文系が得意だから」 理系はいつも赤点だけど、文系は赤点すれすれだしね!
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