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短かった黒髪は、少し伸びていたけれど、きちんと整えられていて。
鋭さの中にも甘さを見せる顔立ちは、更にかっこよさを増していた。
だけど、仕事が大変なのか、少し痩せたようにも見える。
ああ、まだまだ余っている私のお肉を分けて差し上げたい!
布があったら悔しさできーっと噛むほどの勢いで、私は塀の陰から彼を見つめていた。
何か用事があって、お隣の羽田さん宅を訪れているみたいだけど、あき姉も事前にその内容を聞かされていなかったらしい。
後で、詳しく教えてもらおう。
それよりも私は、大誠さんの表情に翳りのようなものがあることが、気にかかった。
疲れているんだろうか?
だけど、顔色はそれほど悪くない。
ただ、あんなに優しい光を浮かべていた目元が、やけに暗い。
何かあったんだろうか。
大誠さん、大丈夫ですか?
こうしてこっそり見ているしかできないけど、あなたの事がとても心配です。
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