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彼が帰った後、あき姉に聞いてみた。
「朗報よ!
もしかしたら、そのうち日本に帰ってこられるかもしれないんだって。
良かったね、早百合」
興奮気味に言いながらも、あき姉も何か引っかかっている様子だ。
「ねえ、大誠さん、ちょっと元気がなかった気がしたんだけど」
「よくわかったわねえ、さすがストーカー」
それ、ほめてませんから。
「そうなのよ、帰りたがっていた割には、何だか嬉しそうじゃないし。
感情が読めないっていうか、ちょっと怖いような気がしたわ」
この2年ほどの間に、何があったんだろう。
私は気になりながらも、早く、彼の帰国が決まらないかと、首を長くして待っていた。
そして、その間もこうやって、バイトにいそしんでいるわけだ。
お金を貯めるのは、上海に行くためだったけど、彼が帰ってこられるなら、今度はお金をかけた自分磨きだ!
今の私は、大誠さんに少しでも追いつけるように、語学を習得するのが目標。
エステや整形というのは、お金がかかるし、努力してない美は、すぐに崩れるってあき姉が言ってたから、中身にお金をかけるんだ!
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