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そしてあっという間に、あき姉の結婚式の日になった。
夏休みの初めで、泳ぎに行きたくなるような青い空の下、海からの風が入るチャペルで、あき姉はウェディングドレスに包まれていた。
「すっごいきれい……」
芸のない感想を呟きながら、私はうっとりと、お姫様みたいにきれいなあき姉に見とれていた。
隣に立つ新郎は、やや猫背気味ながらも、姿勢を正せばすらっと長身になりそうな、優しい目をした男性。
美男美女とまではいかないけれど、美女と野獣よりはずっと、バランスの取れた二人だと思う。
何より、あき姉がこんなに綺麗だなんて、思わなかった。
もともと、かなりの美人さんだけど、花嫁マジックがかかって、もう神々しいくらい!
漫画だと、キラキラの描写がいっぱい入るだろう。
私は、今日のために新調したワンピースにしわが寄るのも構わずに、あき姉の写真を撮りまくっていた。
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