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サツマイモって、おいしいんだよねー。
紙袋の中に入った鳴門金時を眺めながら、私は頭の中で、めくるめくサツマイモメニューを思い浮かべていた。
隣の家は、羽田(はた)さんという4人家族が住んでいて、わが家とは前から仲良くしてもらっている。
子供は二人で姉妹なんだけど、中でも私が特に仲良しなのは、上のお姉さんの亜希子さん。
私はあき姉(ねえ)と呼んでいる。
あき姉は、すっごい美人で、頭もよくて、私の憧れなんだ。
年は私より6つ上の大学生。
あき姉、いるかな、と思いながら、チャイムを押そうとした。
いきなり、ガチャッとドアが開く。
びっくりして、サツマイモの袋を落としてしまった。
散らばるサツマイモを慌ててしゃがんで拾おうとする。
「はい、これ」
スッと目の前に差し出されたサツマイモを受け取ろうとして、再び固まる私。
な、何だこれは。
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