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うわ。
「な、鳴門さま……」
「え?」
ち、違った!
必死に目を眇めて見上げると、ちょっと眉をしかめた懐かしい、そして相変わらずきれいな顔。
少しのびた髪は、カラーを入れているのか、以前よりも茶色がかっていて。
長いまつ毛の下に涼しげな目元。
薄い唇は真っ直ぐに引き結ばれている。
「あ、あの」
「気を付けろよ」
あっさりと身を翻す彼のスーツの裾を、とっさに掴んだ。
「何?」
じろっと睨まれる。
う、何だか怖くなってる。
でもめげないんだ。
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