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「助けて頂いて、ありがとうございます。
私の事、覚えてますか?」
思い切って言うと、ゆっくりとこっちを向き直した大誠さんの口元が、かすかに歪んだ。
「……何、君も俺狙い?」
何ですと?
意味がよくわからなくて、私は首を傾げた。
そこへ、彼の後ろから声がかけられる。
「兄貴」
「ああ、宗(そう)」
近づいてきたのは、わりと長身な大誠さんよりも、更に背が高くてがっちりした体型の男性。
「あれ、君は?」
チビの私は、大誠さんに隠れて彼からは見えていなかったらしい。
「ああ、もしかして亜希子の子分?」
「子分じゃなくて弟子です!」
そこはきちんと訂正しておいたんだけど、宗と呼ばれた彼は、”ふうん、舎弟か”と一人で納得している。
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