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「私……女としてまだまだレベル低いですか?」
「は?」
宗次朗さんはあっけにとられたように、私をまじまじと見ている。
「いや、十分、モテモテに見えるけど。
さっきから、新郎さんの友達あたりに、すごい注目集めてるよ、君」
え?そうなの?
私はとっさにあたりを見回したけど、何しろ裸眼なのでよく見えない。
「いえ、そんな雑魚(ざこ)はどうでもいいんです。
宗次朗さんから見て、私は射程範囲ですか?」
弟なら、もしかして、美的感覚が似てるかもしれないし、参考にしようっと。
「え、あ、いや、俺はその、心に決めた女性がいるので……」
「そんな情報、いりません」
あなたのカミングアウトなんて、どうでもいいんだってば!
「彼女とは、まだ付き合ってはいないけど、ちょっとは俺のこと、意識してるかなーって思うんだよね。
俺が電話すると、いつも不機嫌だし。
ねえ、これって、照れてるって事だよね?」
どうやら宗次朗さんは、かなりのポジティブ思考みたいだ。
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