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変わってるって言われても、私には私のやり方があるんだから。
「ねえ、じゃあさ、おいしいスイーツを出す店なら行けるでしょ?
披露宴が終わったら、そこの出口で待ち合わせしようよ」
さっきの男性が、めげずに声をかけてくる。
まだ諦めてなかったの?
私は、彼の顔を認識するために、ぐっと目に力を入れた。
目が鋭くなったことで、迫力が増し、美形ならではのすごみすら出ているとも知らないで。
「なぜ、私があなたと出掛けることが前提になっているんですか?
私、ひとっことも言ってませんよね、一緒に行くって。
お酒もスイーツもいりません。
私はこの後、新婦のお祝いに、あちらのお宅に行くんです!
もう、いいですか?」
あっけにとられているらしい彼に背中を向けて、私はさっさと避難した。
もう、面倒ったら。
プンプンしながら勢いよく歩いていたからか、壁の内側に持たれていた人の足に、思いきりつまずいてしまった。
ああ、もう今日は何なの!?
よろけた私を支えてくれた腕は、さっきと同じもの。
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