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「ほんと、よくこけるよな」
この声は、大誠さん!
私はすっかりあがってしまって、あわあわと言葉も出ない。
う、腕が私のお腹に回されてる!
「それとも、新手のナンパとか」
「め、滅相もございません!」
そんな器用なことが出来るか!
でも冗談だったらしく、大誠さんはにやっと笑う。
「だよな、サツマイモちゃん」
く~、これは、好きな人に付けてもらったニックネームと喜ぶべき?
「せ、せめて前みたいにさっちゃんでお願いします」
ぷっと吹きだした彼は、私を起こしてくれながらも、笑い続ける。
その笑顔は。
さっきまでのバカにしたようなものではなくて、本当に綺麗だった。
ああ、私の知っている笑顔だ。
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