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わっかりやすい人たちだなあ。
抜群のチームワークで、大誠さんをとり囲んだお姉さま方は、ここぞとばかりにアピールをしながら、誘いをかけている。
さすがに容姿端麗、というか、メイクの上手な方がただ。
元がわからないくらいに、きれいに仕上げている。
ちょっと皮肉な気持ちで、押しのけられた恨みをこっそり晴らす。
あき姉は、ひいき目抜きでも、素で美人さんだけどなあ。
とりあえずこの場は引こうと、背中を向けた時だった。
「俺、美人って嫌いなんだけど」
へ?
心底うるさそうにしながら、大誠さんはお姉さまたちを押しのけて出てくる。
「それでもいいって言うなら、相手しないでもないよ」
ちらっと流し目で彼女たちを見ると、さっさと歩きだす。
「あ、待って」
めげなかった何人かが、後を追っていくけど、私はそんな事にも構っていられないくらい、ショックを受けていた。
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