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ただ両親が月に1度は電話をくれるし、妹は様々な行事や何かの日に写メ付きでラインを送ってくれていたおかげで、僕はこうして普通に話が出来るのだろう。 「でもお兄ちゃんが、こっちに来るなんてね。お母さんもお父さんももう何日も前からテンパってたよ」 「はは、たまたまラインが繋がったんだよ、こっちですごく仲が良かった奴と。そいつが会いに来いなんてしつこくせがむもんだから」 「そうなんだ」 ひとつ頷くと、妹は息をしているのか心配になるほど、家路に着くまでずっと話を続けていた。 「でもさ! こういう時は嘘でも家族に会いたくなって、とか言うもんでしょ?」 「あ、悪い」 「夕飯どこか美味しいの奢ってよね」 「了解」 本音はそうでも、僕は恥ずかしくて言えなかった。 それよりこいつこんなに話したいことがあったんだな。なんて他人事みたいに聞いていると、随分この辺が変わっていることに気づく。 面影は何となくあるが。 少し窓の外を切ない気持ちで眺めていればすぐに着いた。
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