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全身の筋肉を使い、力任せの先制攻撃。
しかし、重い斬撃のはずなのに、いとも簡単に受け止められてしまった。
しかも、細い腕一本で支えられた細い剣でだ。
片手で防がれた精神的な衝撃は、すぐ動揺となって現れてしまう。
そして、それは瞬時に悟られる。
ソイツは剣に力を込め、振り払う。
「――――えっ!?」
軽く腕を振っただけに見えた。だけど、あたしの身体は、凄まじい力で弾かれ石柱に沈んだ。
与えられた衝撃で、石柱は音をたて身体の上に崩れ落ちてくる。
瓦礫に埋まりながら、あたしは初めて自分の死を覚悟した。しかし、それと同時に今まで感じたことのないほどの興奮も感じていた。
――戦いたい。コイツと、もっと――
その思いが、あたしを奮い立たせ、黒い翼の男に向かわせていった。
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