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って、何やってんだ私。 「なんか気分悪いね。 気分直しにご飯食べようよ。お腹もすいてきちゃったし」 気を取り直して明るく提案すると奏音も乗っかって来た。 水族館内にあるファストフードに行き、ハンバーガーとジュース・ポテトをトレーに乗せて空いてる席に座った。 「美味しい」 思いのほか美味しくてポテトを食べる手が止まらない。 「奏音はもういいの?」 さっきから手が止まってる奏音のポテトに手を伸ばす。 「うん。ちょっとお腹いっぱい」 「そう?さっきから全然食べてないみたいだけど。 ほら、秀君も」 奏音もだけど秀君も食が細いみたいでさっきから全然食べてない。 私と滝川琉生だけが馬鹿みたいに食べている。 「奏音、アイスは?アイスなら食べられるよね? 私買ってくるよ。バニラがいい?チョコ?ストロベリー?」 「ううん。大丈夫。アイスを食べたいのは羽音でしょ?」 「ばれた?でもさすがに食べすぎた感があるから・・・ 奏音、アイス半分しない?」 「いいよ。じゃあ私買ってこようか?」 「いいよ。奏音疲れてるみたいだし、買ってくるから。 奏音はストロベリーが良いよね。待ってて。 あ、秀君たちは?アイスいる?」 「僕はいいかな。琉は?」 「イラネー」 「そ。それじゃあ行ってくるね」 財布だけ持って走り出す。 奏音、元気ないけど大丈夫かな。 やっぱりさっきの害虫のせいで気分悪くなっちゃったかな。 あんなに可愛いから仕方ないけど、でも私がしっかり守ってやんなきゃ。 店には3人ほど並んでいた。 その後ろに並んで順番を待っているとさっきの男二人組が見えた。 瞬間的に目を反らすが見つかってしまってこっちに近づいてくるのが見えた。 慌てて回れ右をして走り出す。 って、失敗した。今日はヒールでいつもみたいに上手く走れない。 それでもあいつ等が追いつくことはなかったけれど。 スマホ持ってこなかった事を後悔する。 今戻ってもいいけど奏音にあいつ等近づけたくないし。 どうしようかなぁ。 ウロウロしてるとまたあいつ等に見つかって走り出す。 ちょっとしつこいんだけど。 部活辞めてからまともに走ってないから体力的にも衰えて男たちが近づく気配を感じた。
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