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中高生に人気の雑誌 『KAWAII』の表紙を飾るのは読者モデルのカノンこと双子の妹の奏音。
大学入試に向けて勉強に専念するため、雑誌の仕事をするのがこれが最後だ。
勿体ない。
こんなに可愛いのに。
この世で一番可愛いのも。
それは双子の妹の奏音(カノン)だろう。
病弱だったためほとんど外に出たことがなかった奏音の肌は透けるように白く、大きな眼に長い黒髪。
白雪姫が現代にいるならばきっと奏音のようだと私は思う。
そんな私羽音(ハノン)は小さい頃から外で遊びまわる近所でも有名なガキ大将。
身長もスクスクと伸び今では168センチ。
髪は陸上に邪魔にならないようにベリーショート。
奏音と対照的だ。
私にない物を持っている奏音が私はとても大好きで大切で守らないといけないと思っている。
実際、奏音はよく熱を出したり貧血で倒れたりするから無理はさせられない。
その分私が奏音の分も頑張るんだ。
普通ならば一卵性双生児は同じクラスにならないかもしれないが見た目があまりにも違いすぎるし奏音の体調の事も考慮して私たちは高校三年間同じクラス。
奏音は『読者モデル』になってますます可愛くなった。
こんなに可愛くなったら害虫(男子)が煩くて仕方がない。
それに輪をかけて女子が煩い。
やっかみで嫌味を言ってくる女子も少なくない。
こんな所に奏音を放置できるわけもなく私は出来るだけ奏音の傍から離れないように心掛けている。
さすがにモデルをやってる所まで一緒に行くことは出来ないからその時は事務所の人にくれぐれも注意するように口を酸っぱくして言っている。
最初は反対したけれど、奏音がやる気を見せてる以上反対は出来ない。
両親は喜んでたみたいだけれど私としては複雑極まりない。
奏音の可愛さを知らしめたいけれど私だけが知っておきたい…みたいな?
雑誌をペラペラと捲りながら保存用にもう一冊買わないと。
このページはラミネート加工して残しておこう。
「羽音、ご飯だよ」
共働きの両親に変わってうちでは二人で当番制でご飯を作っている。
モデルをしてた時は何かと忙しくて暫く私が当番だったけれど、今日は奏音が作ってくれた。
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