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「羽音が好きそうなヤツだ。ちょうど髪も伸びて来たし絶対似合うよ! これ滝川君が選んだって事だよね? 羽音の事良く見てるね」 「奏音をイメージして選んだんじゃない?だって・・なんで・・・」 「私のイメージじゃないよ。これはどう見ても羽音のだよ。 いいなぁ。羽音」 「あ、いや。だからこれは妹ちゃんのプレゼント選びのお礼ってだけだし。 それにたまたまその辺にあったの選んだだけだよ」 「そんな訳ないじゃん。良かったね羽音」 「良くないよ!だってこんなの・・・似合わないし」 どうしてこれを選んだの。 なんでこんなの私にやるの。 奏音が誤解しちゃう。 「絶対似合うってば。あ、ねぇそれ付けたとこ写真撮って送ってあげようよ。きっと喜ぶよ」 奏音の気を引くためにまずは私を懐柔しようって魂胆なんだ。きっとそうだ。 案の定奏音の中で滝川琉生の株が上がってるもん。 なんて姑息な。 「シュシュのお礼しなくちゃね」 「お礼のお礼って・・そんなのやってらキリないよ」 「そっか。そうだね」 あ、いや・・奏音だって口実作って滝川琉生に会いたいんだよね。それを私ったら。 「また・・また今度偶然会ったらシュシュのお礼にジュース位ならって伝えてて」 「うん!」 奏音が嬉しそうな顔をする。 そうだよ。二人が上手くいくようにしてあげないといけないんだよね? 思いあってるんなら・・・ それにしてもなんだってあんな奴がいいのかサッパリ分からない。 好きな子の前ではもっと感じが良い人なのかな? 秀君みたいに優しさで出来てますみたいな人ならすぐにでも応援出来るのに。 「今度の土曜日はどう?だって」 早いな、奏音。 「秀君が水族館の割引チケット貰ったらしくって息抜きにどうって?言ってるけど」 「秀君?なんで秀君が出て来るの?」 「だって私滝川君の連絡先知らないから。 秀君に橋渡し?的な感じで」 ジュースのはずが水族館って・・・ 「奏音も息抜きしたい?」 「したい・・かも」 「分かった。土曜日だね」 Wデートみたいじゃないか・・・とは思ったが、私と秀君とでは全く接点がないし出来るだけ奏音と滝川琉生の邪魔にならないようにしないとなぁ。
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