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奏音は料理があまり得意じゃないから、カレーを良く作る。
でもめちゃくちゃ美味しい。
「今日はサラダもあるよ」
リビングに入るとカレーの良い匂い。
テーブルには二人分のカレーと中央にレタス。
レタスをちぎってサラダとか本当可愛い!
「頂きます!」
きちんと両手を合わせる。
がっつくようにして食べ始める私とは対照的に小さく少しずつ口に運ぶ奏音はやっぱり可愛い。
「うん。奏音のカレーは世界一!」
「ありがとう。でもルー入れただけだし」
「そんなことないよ。
サラダも美味しい!」
「ちぎっただけだけどね」
「それが一番美味しいんだって!」
バクバクと口に運んですぐにおかわりをする。
「羽音が美味しそうに食べてくれると本当に嬉しいなぁ」
「本当に美味しいからこういう食べ方になるの」
奏音のカレーなら毎日でも大丈夫。
「羽音みたいに色んなの作れたらいいんだけど」
「いいのいいの。
私のは趣味みたいなもんなんだから。
他に得意な事もないしさ」
「足が速いよ」
「アハハ。そんなの何の役にも立たないって。
それより奏音みたいにみんなのお手本になる方が凄い事だよ。
カノンファンとしては残念だけど、大学受験控えてるしね。
そう言えば、塾行くんだって?」
「うん。やっぱりちょっとみんなより遅れてるかなって」
「そんな事ないよ。ちゃんとモデルの仕事と両立させてたじゃん」
家族で買い物に行ったときに声をかけられて読者モデルをするようになった奏音。
外に出る機会がなかった分、とても刺激的だったみたいで楽しそうにしていた。
もちろん学業をおろそかにするような奏音ではなく。
常に50番以内をキープしていた。
運動能力は私が。
頭脳は奏音がそれぞれに引き継いだみたいだ。
そんな奏音は私と両親の宝物。
壊れ物じゃないけれどいつか壊れてしまうんじゃないかって気が気じゃない。
それにこんなに可愛かったら過保護にもなる。
無理はさせたくない。
でも奏音が望むことは何でもさせてあげたい。
そう思っていた。
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