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「その力があれば、ターゲットを仕留めるのは簡単なのでは?」
錦之宮楓。彼女だって例外ではないだろう。
時を止める能力があるのなら、止まっている彼女に対してナイフを突きたてればいいだけの事。
けれど彼はそれをしない。
せずに、僕に暗殺を依頼してきた。
何故だ。
それが気になった。依頼主への不用意な干渉はするべきではないのだが、どうしてもそこは気になった。
「そう簡単な話ではないのだよ。十々海レッカ先生」
「それはつまり……。『しない』のではなくて『できない』と言う事ですか?」
「その通りだ。できない。私にはターゲットを殺せない」
彼は校舎から目を離し、僕を見た。
校舎は完全に修復され、ヒビ一つなくなっていた。
見事な物だ。素晴らしい力だ。
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