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錦之宮楓。
にしきのみや、かえで。
資料に書かれていた人物の名前。写真付きの資料だった。ここの女子生徒の名前。
「錦之宮楓についてです。彼女の異能力の詳細を教えていただきたい」
その生徒こそが今回のターゲット。標的。
この男、赤霧孝之助が暗殺を依頼してきた、ターゲットとなる女子生徒。
依頼人。赤霧孝之助。
暗殺ターゲット。錦之宮楓。
僕がここにいる理由はただ一つ。
錦之宮楓の殺害。暗殺。この学校の生徒に知られる事なく、この学校の生徒である錦之宮楓を殺害する事。
それが今回の僕の任務。仕事。
「もちろんだ」
赤霧孝之助は笑った。
喜んで提示しようと言わんばかりに。
自分の学校の生徒を暗殺してもらうため、情報を提供しようと、暗殺の手助けなら喜んでしようと。
そう顔で言いながら、薄気味悪い笑みを浮かべた。
あんたはやっぱり食えない。気持ち悪い。
僕はどうも、この赤霧孝之助の事が好きになれなさそうだ。
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