十々海レッカ1

9/14

1996人が本棚に入れています
本棚に追加
/415ページ
錦之宮楓。 にしきのみや、かえで。 資料に書かれていた人物の名前。写真付きの資料だった。ここの女子生徒の名前。 「錦之宮楓についてです。彼女の異能力の詳細を教えていただきたい」 その生徒こそが今回のターゲット。標的。 この男、赤霧孝之助が暗殺を依頼してきた、ターゲットとなる女子生徒。 依頼人。赤霧孝之助。 暗殺ターゲット。錦之宮楓。 僕がここにいる理由はただ一つ。 錦之宮楓の殺害。暗殺。この学校の生徒に知られる事なく、この学校の生徒である錦之宮楓を殺害する事。 それが今回の僕の任務。仕事。 「もちろんだ」 赤霧孝之助は笑った。 喜んで提示しようと言わんばかりに。 自分の学校の生徒を暗殺してもらうため、情報を提供しようと、暗殺の手助けなら喜んでしようと。 そう顔で言いながら、薄気味悪い笑みを浮かべた。 あんたはやっぱり食えない。気持ち悪い。 僕はどうも、この赤霧孝之助の事が好きになれなさそうだ。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1996人が本棚に入れています
本棚に追加