赤霧孝之助1

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何が言いたいのかと言うと、つまり人々は簡単に思いすぎている。 異能力を簡単に考えすぎている。身近に感じすぎている。 漫画やアニメのせいで、それらが簡単に行使できるものだと勘違いしている。 変身するのは簡単ではないし、空を飛ぶのも命がけだ。 気を飛ばすのも間違えれば自分の体が吹き飛ぶし、瞬間移動も万丈圭吾が良い例だ。 瞬間移動の座軸を間違っただけで、首と胴体が離されてしまった。 いい先生だったのに残念だ。 東堂大貴によって運動場まで飛ばされ、テレポートする座標を正確に捉えきれなかったのだろう。慣性の分まで計算しきれなかったのだろう。 ……話がそれたね。戻そうか。 つまり異能力とは、人が思うほど簡単な物ではないと言う事だ。皆が考えるほど、単純ではないと言う事だ。 それは十々海レッカにも言える。 彼は色々と異能力についての理解が早いようだが、それでもまだ安易に考えている。 不十分。理解の早さは評価するが、それでも足りない。 錦之宮楓を私が殺せないのかと聞いてきたのがいい証拠だ。 異能力をしかるべき点からきっちりと見つめれば、私が錦之宮楓を殺せない事くらい、すぐに分かると言うのに。
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