赤霧孝之助1

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学生の時は苦労した。私の能力の抑え方を教えることの出来る先生がいなかったから。 先生は私の世界に入ってこれないから。見ることすら叶わないから。 ジョウタロウがいれば、まぁ入ってきてくれるのだろうけど。でもそんなに世の中甘くない。都合よくはいかない。 最初は時を止める能力を、状況判断の能力として使っていた。 アクションゲームでポーズのボタンを連打して敵の攻撃を避ける。そんな感じだ。 私はマリオでその技法を使った。ポーズボタンを何度も押して、向かってくる敵を視認してから冷静にジャンプして避ける。 現実も同じだ。時を止めて、相手の動き方を見て、理解してからもう一度スタートする。 すると相手の動きより一歩先に、私は行ける。そう言う風に能力を使っていた。 パンチもキックも避けれた。掴む事すら出来た。それだけでも十分強い能力だった。 何度も使う事により、少しずつ動かせる場所が増えていった。 指先。手首。腕。足。首。 そして体。 体を動かせるようになった時は神になったような気分だった。 万丈圭吾のテレポートと同じレベルの動きが出来る。 さらに相手の動きすらも自由自在に観察でき、先回りできる。それに関しては万丈圭吾のテレポートより都合がいい。 最早この世に私の敵はいない。そう思った事さえあった。
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