2000人が本棚に入れています
本棚に追加
「っーー!」
瞬間的に私は時を止める。反射的にと言ってもいいだろう。
喧嘩の時、殴られそうになったら身構えるのと同じで、反射的に時を止めた。
身の危険を感じ、時を止めた。
誰もいないと思っていた。気配なんて物は全くなかった。
まるで空気から出てきたかの様に、奴はそこにいた。
私に向かって銀に光るナイフを突き出していた。
その先端が、私のほんの数センチ、目の前まで迫っている。
それが届くよりゼロコンマ数秒先に、私が時を止めた。
目の前に、まさしく眼球の数センチ前に、ナイフの先端がある。
私に向かってそれを向ける男の姿がある。
最初のコメントを投稿しよう!