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透明化とか、テレポーテーションとか、怪力とか。そんな能力なら厄介ではあった。
けれど念力。つまりは頑張ってもポルターガイストを起こすのが関の山。可愛いものだ。
ならば殺すのに別段支障はない。問題なんてない。あるはずがない。
「ただね」
早ければ数日で片がつく。遺体の始末をきっちりすれば、行方不明で終わりだ。
僕がそんな簡易的な段取りを考えていると、赤霧孝之助が口を挟んできた。
挟んできたと言っても、そもそも僕は物理的に口を開いていないのだから、挟む場所なんてないが。
つまり普通に話しかけてきた。
「彼女の異能力は少しばかり特殊なんだ」
「特殊……?」
「強すぎると言った方がいいかな」
強すぎる……?
それはどのくらいの事を言っているのだろう。何ぶん異能力を見た事がないから強すぎると言われてもピンとこない。
車でも持ち上げられるのだろうか。それとも建物……。そうだとしたら少々厄介ではある。
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