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怪力レベルの念力を使われるのだとしたら、対策を考えなくてはならない。
暗殺者としてある程度の知識や体術は身につけているが、相手が異能力なら話は別だ。
僕も訓練を受けているとは言え、所詮はただの人間。超能力に勝てるわけが無い。
それが強力な念力なら余計にだ。
「彼女はね」
その次の言葉を聞いた途端、僕は目を見開いた。
次元の違いに、驚かされた。考えていた事が全くもって桁違い。段違い。そしてお門違いだ。
この平気で人でも殺してしまいそうな組長のような校長。赤霧孝之助がわざわざ暗殺者の僕に依頼をしてきた理由。
僕を雇った理由。
それが分かった瞬間だった。
「地球を破壊するレベルの念力を使える」
「……は?」
言葉を失うとは、まさにこの事を言うのだろう。読んで字の如く。
頭が真っ白になって、しばらく脳がエラーを起こす。返す言葉が浮かんでこない。
聞いた事がいまいち理解出来ずに、言葉を噛み砕く時間だけが過ぎる。空白の時間が過ぎる。
赤霧孝之助の言葉を脳が噛み砕くために時間を必要とする。
そんな僕に対して、赤霧孝之助は畳み掛けるように言ってきた。
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