十々海レッカ7

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「冗談ですよ。十々海先生」 「…………」 僕に笑いかける。 ナイフを片手に持っている僕に。 彼女は何の邪気もはらませず、笑う。怯えとか、軽蔑とか、そんな暗い感情は一切読み取れない。 彼女はいつものように。いつもと変わらない無邪気な笑顔を僕に向ける。 「でも十々海先生なら良いですよ?」 「からかうな」 暗殺者をからかうな。殺そうとしていたのに、犯すもクソもあるか。 彼女はニッと僕に向かって笑いかけ、あらぬ事を口にした。 耳を疑う事を言い出した。 「殺し屋さんだったんですね」 「…………」 僕は不意にナイフを隠した。 いや別に、今更隠してもどうしようもないが。 でもそういう目で見られる事が、ただ単に嫌だったと言うだけだ。
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