プロローグ

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眠ってる呼吸音が聞こえる。静かな、物音一つしない夜。その呼吸音だけが僕の耳に入ってくる。 実行は新月の夜にした。たかが月の光に僕の計画は左右されないが、念には念を入れてだ。 手筈通りにドアをピッキング。別にこのくらい何て事はない。ピッキングなんてコツさえ掴めば誰でもできる。 部屋の中に忍び込めた。 中には寝息を立てている人物が一人。女が一人。女子生徒が一人。 女子寮ではあるが、別段セキュリティの厳しい建物ではないので忍び込むのは容易かった。学校の寮だから、管理人さんがいるくらいだ。 戸締りはきちんとされていたが、そこは僕には関係ない。扉なんて鍵がかかっていようが、かかってなかろうが同じだ。ピッキングするかしないかの違い。 防犯カメラの場所もきちんと把握してある。段取りを踏んでこの時間帯だけカメラをハッキング。 別の映像を流してある。だからこの寮な侵入する僕の姿は映っていないはずだ。 彼女の部屋もすでに調べは付けていた。寮に忍び込み、彼女の部屋に忍び込み、今に至る。 僕の目の前に、寝息を立てる彼女がいる。 そう言う場面へと至る。
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