赤霧孝之助2

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さて、これからこの校長室に十々海レッカが来るわけだが。 彼が私に相談事とは珍しい。そう言う弱い面を誰にも見せないタイプに見えるから、彼の中で何かが行き詰まっているのだろう。 先日の暗殺者の件だろうか。十々海レッカの弟。 確か名前は、透矢崎ヒジリ。 とうやざき。これがあの暗殺者の本名だとするならば、十々海レッカと言うのは偽名と言う話になる。 まぁ暗殺者のなのだから、名前の一つや二つ持っていても不思議ではないか。 と言うかそもそも、透矢崎ヒジリと言う人間の名前が本名かどうかも分からないが。定かではないが。 両方偽名。そう結論付けるのが一番無難ではある。 その透矢崎ヒジリ。彼が錦之宮楓の部屋に風穴を空けて侵入。十々海レッカと交戦。 その後、透矢崎ヒジリが撤退して事は済んだ。 ちなみにその風穴を塞いだのは私だ。夜な夜な十々海レッカが私の携帯を鳴らすので、何事かと思ったが。 その辺りは大事がなくてなりよりだ。他の生徒に被害が出なくて。被害が出たのが壁だけで何よりだ。 幸か不幸か、錦之宮楓にも怪我はないようだった。
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