赤霧孝之助2

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だが時を二度止めて感じた。 妙な違和感を感じた。 時を止めなくても、今の彼なら勝てる。私の方が強い。地球から、木星や土星だと思っていた星に手が届く。届くどころか、叩き落とせる。 だから単純に距離を置き、ナイフを受け流して投げ技を決めた。思惑通り、その投げ技はすんなりと綺麗に決まった。 こんな暗殺者ではないはずだ。十々海レッカはもっと強い。本来ならばもっと強い。 強いながらも、人間性のある暗殺者。 だから私は彼を雇ったのだ。 「十々海レッカ。まさか君はーー」 彼は素早く起き上がり、再び私に向かって拳を奮う。襲いかかろうとする。 ナイフはさっき彼が投げられた時にとんでいった。少し距離のある所に落ちた。 私は彼の動きを読み、次は足を引っ掛ける。彼の進もうとする場所に、私の足を前もって伸ばしておく。 その単純明解な、技とも言えないような動きに、十々海レッカはあっさりと引っかかった。 私の足に引っかかって、転けた。
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