十々海レッカ10

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「うん!お父さんとお母さんとたくさん話せたよ!」 結果的に、それはダメだった。不本意な結果に終わった。不本意どころか、結果は散々だった。酷いありさまだった。 僕の殺意は。刃は。刃こぼれしていた。 錦之宮楓に見立てた赤霧孝之助でさえも手こずる。 ならば本物の錦之宮楓を殺そうとする時、僕はどうすれば良いのだろうか。 赤霧孝之助の時よりも僕の戦闘力が落ちる上、敵は赤霧孝之助よりも強い。 遥かに強い。 「お父さんとお母さんが先生の事、褒めてたよ!」 「僕の事を?」 「うん。良い先生だねって」 今、丁度その錦之宮楓と二人で廊下を歩いている。客室に向かっている。 錦之宮楓が朝一番に職員室にやってきて、僕を連れ出したのだ。 お父さんとお母さんが帰るから、一緒に見送って欲しいとの事だった。
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