1996人が本棚に入れています
本棚に追加
/415ページ
「うん!お父さんとお母さんとたくさん話せたよ!」
結果的に、それはダメだった。不本意な結果に終わった。不本意どころか、結果は散々だった。酷いありさまだった。
僕の殺意は。刃は。刃こぼれしていた。
錦之宮楓に見立てた赤霧孝之助でさえも手こずる。
ならば本物の錦之宮楓を殺そうとする時、僕はどうすれば良いのだろうか。
赤霧孝之助の時よりも僕の戦闘力が落ちる上、敵は赤霧孝之助よりも強い。
遥かに強い。
「お父さんとお母さんが先生の事、褒めてたよ!」
「僕の事を?」
「うん。良い先生だねって」
今、丁度その錦之宮楓と二人で廊下を歩いている。客室に向かっている。
錦之宮楓が朝一番に職員室にやってきて、僕を連れ出したのだ。
お父さんとお母さんが帰るから、一緒に見送って欲しいとの事だった。
最初のコメントを投稿しよう!