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「彼女の力が暴走すれば誰にも止められない。地震や嵐の類と同じかそれ以上のレベルだ。
今から逃げていては間に合わない。それならば他の教員と一緒にいさせた方が安全だ」
確かにそうだ。仮に今この瞬間、錦之宮楓の力が暴走すれば、地球が壊れるかもしれない。
月が降ってくるかもしれない。
銀河が爆発するかもしれない。
だったらどこにいても同じだし、変に大勢移動させて事を大きくするよりも、異能力を持っている教員たちに守らせておいた方が得策。
赤霧孝之助は現場に入り、錦之宮楓の両親に刺されてあるナイフを抜き取り、遺体を横に寝かせた。
「私の力が神にも匹敵するのならば、命すらも巻き戻せるのだが、それは叶わない。せめて姿だけでも、綺麗なままで」
そう言いながら彼は、二人に能力を行使した。
巻き戻しの能力。傷口が塞がる。彼らの体が綺麗になっていく。
死んでいる事すらも分からないくらい、綺麗になっていく。
「水之上先生。錦之宮さんを保健室へ。十々海先生は私と残って下さい」
「はい」
水之上四季美は座り込む錦之宮楓を立ち上がらせ、保健室まで連れて行った。
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