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「だから」
だから錦之宮。我慢なんてしなくていい。笑顔なんて作らなくていい。
そんな悲しい笑顔なんか、しなくていい。無理なんてしなくていい。
「泣けばいい」
思いっきり、泣けばいい。2人の死に、泣き崩れればいい。
「先生……？私は、大丈夫だって……」
「泣けばいい」
僕は繰り返す。
彼女を強く抱きしめながら。
繰り返す。
「思いっきり泣けばいい。僕が全部。君の全部を受け止める」
「先生……。止めてよ。そんな事……言われたら……」
泣けばいい。
もう何がどうなっても構わない。全てが壊れても、どうでもいい。
今日で世界が終わっても。銀河がなくなっても。
別にいい。
君の悲しい笑顔を見るくらいなら。
あんなに暗い、寂しい笑顔を見るくらいなら。
泣きそうで、崩れそうで、必死に涙を堪えている、そんな笑顔を見るくらいなら。
「泣けばいい」
全て壊れてしまった方がマシだ。
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