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その中で、彼女だけが唯一、僕の想像した通りだった。
考えていた妄想が、そのまま具現化したような存在だった。
錦之宮楓。
キラキラと青春時代を過ごしているような。クラスの中に光る一番星のような。
漫画やアニメに出てきそうな。僕が想像していた学園生活のキャラクターの一人のような。
そんな人だった。生徒だった。
彼女はニッと僕に向かって笑った。眩しいくらいの笑顔。この学校でそんな顔を見たのは、初めてだった。
誰よりも強く、そして恐ろしい力を持つ彼女が。
この日本どころか、地球どころか、銀河にまでも力の及ぶ彼女が。
このクラスの中で誰よりも輝き、活発で、笑顔の絶えない生徒だった。
皆が力に怯え、縮こまる学校で。
最も強い力を持つ彼女が、最も輝く笑顔を持っていた。
その事に一番、驚いた。
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