世界最強暗殺計画

十々海レッカ15

「先生！」

と、考え事をしていたら錦之宮楓の声がした。その声を聞いてから気がつく。

あ……、と僕は気がつく。うん、まずい。

「先生」呼ばわりはまずい。オーナーが従業員に適当に話を付けてくれているのは知っているが、その内容までは把握していない。

たぶんカップルだとか、婚約者だとか、そんな感じで話を通してくれているのは想像が出来るが。

うん。まずい。「先生」はまずい。話がこじれるか、変なプレイの最中なのかと疑われる。

話がこじれるのもまずいが、変なプレイだと思われてもめんどくさい。先生プレイ。生徒と教師の禁断の恋的なプレイ。そんなの誰がするんだよって話だが。

いやどの道、先生と呼ばせるのを止めさせなくては。

十々海さん。レッカさん。うーん、どちらも釈然としないが。

そんな事をつらつらと考えながら、僕は振り返った。

錦之宮楓の方を向いた。