十々海レッカ15

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ボーイの人が席に着いた僕たちを確認して、ワイングラスに飲み物を注いでくれる。 トクトクトクッとビンから注がれるその液体を見ながら、錦之宮楓は目を泳がせた。あたふたとしだした。 そして僕に助けを求めるようにこっそりと小声で話してきた。 「私お酒飲めない」 「知ってるよ」 知ってると言うか、いやそもそも未成年だろう。君はまだ19だろう。 飲める飲めないではなくて、飲んじゃいけない。日本の法律がそれを許していない。 いや暗殺者の僕が法律をどうこう言える立場ではないが。 今注がれたのは白の葡萄ジュース。僕がアルコール類は除いてもらうように頼んである。 僕も僕でアルコールが飲めない訳ではないが、暗殺前に酔う訳にはいかない。たかがアルコール程度で手元が狂うなんて事はないが、万が一も想定して万全を期すのが一流だ。 特に今回、失敗は許されない。アルコールなんかで棒にふる訳にはいかない。 この後、きっちり僕は結果を出さないといけないのだから。
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