十々海レッカ15

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「え、何か凄いのきたよ」 「あぁ。凄いのがきたな」 「凄いの」と言う、彼女の新鮮な表現の仕方に思わず笑みが漏れる。前菜の盛り合わせだが、彼女の目には「凄いの」に映るのだろう。 食べ方に戸惑う錦之宮楓に、僕は軽く笑いかけた。 「別にマナーなんて気にしなくていい。純粋に料理を楽しもう」 「わ、わかった」 それからスープ、魚料理、肉料理と続き、料理が進むにつれて錦之宮楓の固さが取れていった。 最初は笑えるくらいカチカチだった動きも、少しずつ戻っていく。 いつもの活発な彼女に戻っていく。元気で笑顔の多い彼女になっていく。何より料理を楽しんでくれているから嬉しい限りだ。 「先生、先生!」 「ん?」 料理が一通り出て、残すところデザートだけになった時、彼女がおもむろに自分のタブレットを取り出した。 ニヤニヤと悪い笑みを浮かべながら、僕とタブレットを交互に見つめる。
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