十々海レッカ15

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「ホテルで一緒に寝る時に撮ればいいじゃん」 「君といつそんな約束をしたんだ」 「寝顔撮り放題だよ!想像しただけで興奮するでしょ?」 「錦之宮。少し落ち着こうか」 寝顔撮り放題って何だ。焼肉食べ放題みたいに言うな。そして声を荒げるな。何で君が興奮してきているんだ。 寝顔撮り放題と言いながら興奮する女子高生があるか。君もたいがい怪しい路線を走っているじゃないか。 そもそも僕は興奮しないし、撮り放題も言われても撮らないし。寝顔撮り放題なんてプラン、立てないし。 と言うかホテルにも行かないし。僕が訴えられたらどうするんだ。最近多いんだぞ。教師が生徒を襲ったりするの。 君はもう少し危機感を持て。僕が狼だったらどうするんだ。 「っはー。美味しかった!」 僕の考えを他所に、彼女は最後のデザートを食べ終わり、グッと伸びをする。 両手を上に伸ばす。 こらこら、ドレスなんだからもう少し大人しくしなさい。せっかく綺麗に着れているのに、崩れるだろう。 「ねぇ先生」 「ん?」 錦之宮楓がチラリと時間を確認する。 22時。 予定通り、レストランの従業員はいなくなっていた。すでに避難していた。 レストランの中にある気配が、僕と錦之宮楓だけになっていた。
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