十々海レッカ15

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「今日は楽しかった。先生、ありがとうね」 「あぁ、喜んでもらえて何よりだ」 彼女はゆっくりと席を立つ。口をナプキンで拭いてから、席を立つ。 立って僕に向かって手を広げた。 両手を大きく広げた。 「いいよ」 「何がだよ」 その意図が分からなかった。両手を広げた意味が分からなかった。まるで抱っこをせがむ子供の様に見える。 まぁでも、その「いいよ」はたぶん、いつもの様にからかわれているのだろう。 両手を広げて「いいよ」なんて、彼女らしい冗談だ。 「襲っても」 「何故そうなる」 ほらきた。彼女の中では、一日中デートして、食事して、次は……みたいな桃色設定で僕の事をからかっているのだろう。 僕がこの食事を終えた後、次は彼女を食事すると言う設定の元でそんな事を言っているのだろう。 いつも言うが襲わない。女子高生を襲う男子教師。 間違いなく週刊誌の一面に載るだろうな。 いや襲わないけど。
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