十々海レッカ15

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「ずっと君を守る。例え全ての国が君を殺そうとしても、僕が君を守り続ける」 ずっと考えていた事だった。でも決意は出来なかった。この判断は、僕一人のものではないから。 僕の周りの人間はもちろん、この世界を巻き込むような決断だから。宇宙を巻き添えにするような事だから。 だから踏ん切りがつかなかった。スタートラインまでは立つけど、その線を越える事ができずにいた。 でも今なら出来る。決断できる。決意を固める事ができる。スタートラインを切る事ができる。 彼女のためなら、僕は世界でも敵に回そう。そう思える。それを現実として考える事ができる。 殺す以外の方法。殺さなくても済むやり方を、実行できる。彼女の真の幸せを、叶えてあげられる。 彼女はまだ未成年だ。20すら超えていない。人生これからなんだ。まだスタートすらしていないんだ。 もっとたくさん楽しい事があって、もっと笑える事があって。辛い事や泣きたい事もあるだろうけど、でもそんなのも含めて、人生ってのは楽しいんだ。
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