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友達と遊んで、旅行して、海に行って、山に行って、花火して、枕投げして、恋人を作って、手を繋いで、キスをして、デートして、結婚して 、一緒に暮らして、子供を授かって、幸せな家庭を築いて。
今まで学校に保護されて、行きたくても行けなかった場所に、これからたくさん行って、色んな人と出会って、色んな関係を作って、自分だけの未来を切り開いていく。
まだまだたくさん、この先の人生には楽しい事が待っている。山のように、君の事を待っている。
でも死んだら。殺されてしまったら。
人生と言う名の道のりから降りてしまったら。
それで終わりじゃないか……。
「へへへ。ありがとう。先生」
錦之宮楓がニッと笑う。嬉しそうに笑う。少しだけ照れているようにも見える。
けれどその後、すぐに彼女は首を振った。
僕の提案に対して、頭を振った。笑顔のまま、嬉しそうな表情のまま、否定した。
「でもいいよ。私は死を望んでる。今日を過ごして、改めてそう思えた」
「どうしてだ……!今日と言う日を過ごして、どうしてそんな……」
こんなにも楽しい時間を過ごして、たくさん笑って。彼女にとっては最高の思い出にすらなっただろうこの日を過ごして。
そんな時間がこれからも続けばいいとは思わないのか……?
また次もと、そう望まないのか……?
またこうして遊んで、笑って、食事して、話して。
そんな事をこれからももっとたくさんしたいと。
こんな最高の1日をまた体験したいと。
そう思わなかったのか……?
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