後々話

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暑い。そう思いながら僕は立ち止まる。 歩行者用の信号が青になるのを待つ。 照りつける日差しに加え、都会ならではのアスファルトからの反射熱。 上からも暑いし下からも暑い。 教師になって10年程経つが、こう言った都会に降り立つのは久しぶりだ。 教師になる前は。つまり暗殺者の頃は都会にいるのが当たり前だったのだけれど。 僕の勤める学校は山の奥にあるから、こういう都会独特の蒸し暑いのには参る。 汗が止まらない。 普段は学校が用意してくれている寮で生活しているから、別段都会に来る事もないのだが。 今日は生徒の親に会うために、わざわざ山奥からここまでやってきたという訳だ。
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