後々話

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能力の制御がまだままならないのに、生徒が学校から逃げ出した。 逃亡してしまった。 はっきり言ってこれは緊急事態だ。こんな都会で能力が暴走すれば、ただ事では済まない。 その子は親の家に帰り、その親から学校に連絡があったという訳だ。 今からその子を説得し、親にも事情を説明し、みんなが納得した上で学校に帰還する。 本当に、あの学校の教師と言うのは大変だ。 「あら、十々海先生」 「え……?」 信号が青に変わったと同時、僕の名前が呼ばれた。 聞き覚えのない声で、呼ばれた。 振り返ると、そこにいたのは10年前に死んだあの子がーー。
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