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「忘れ方を忘れてしまった、ただのバカです」
「えっと……。まさかそれ、僕が君に言ったのか?」
「はい、そうですよ。十々海先生」
今しがた、少しだけ思い出した。
そうだ。10年前。僕が学校に配属された年。
暗殺者として潜入した年に出会った子供だ。
確か能力は「記憶」
忘れないと言う能力。
確か名前は……えっと。
忘れない能力の少女の名前が出てこない。
忘れない少女の名前を忘れた。バカ呼ばわりしたくせに忘れた。
酷い教師だ。
でもまぁ僕も35だ。そりゃ色々と忘れる。
だから許してくれ。
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