第1話 逃走
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タッタッタッ… あの日は、十二月の、夜だった。 十二歳だった俺は、歩道を小走りしていた。 足は、なるべく街灯のない道を選ぶように、動いてゆく。 とにかく暗く、人の気配はない。 思い返せば、それも運命だったのかもしれない。 目撃情報でもあれば、そのあと俺が行方不明者となった時、発見に繋がっていたのかもしれない。 それ以前に、逮捕されていたのかもしれない。
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