第1話 逃走

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これらの会話は、直接聞こえているわけじゃない。二人とも小声だからだ。 「ところで奴だが、やはり"例の少年"で間違いなさそうだな」 「えぇ、間違いありません」 「うちの部署じゃ有名な奴ですよ。私も、すっかり覚えましたわ」 右耳に装着している黒いイヤホンから聴こえる会話。 俺の追跡は諦めたらしく、警官は、逆方向へと歩いて行った。
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