第一章

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でも、その後に俺が目を覚ましていることに気づいた、拓誠の言った一言で俺は死というものがどんなものなのかわかった。 「たく....み....」 「慧音!....ごめんね」 「ん....で....」 なんで、お前が謝るんだよ。拓誠は、何一つも悪くないだろ。 止めろよ....そんなに、悲しそうな表情(かお)すんなよ。 こっちも悲しくなるだろ....お前のそんな悲しそうな表情(かお)見たくねぇよ。 すると拓誠は横になっている俺に、優しく覆いかぶさるように抱きしめてきた。 「たっ!たくみっ!?」 「良かった....ほんとに良かった....」 拓誠。ありがとう。俺は、泣いている拓誠の頭を優しくポンポンと叩いた。 「じゃあ、父さん達は帰るな。」 俺は上半身だけ起き上がって右手には点滴が付いていたが、一様峠は超えたらしい。 両親と姉貴は家へと帰って行った。拓誠は、話があると言って今日は泊まることになった。 「拓誠。話ってなに?」 「慧音さ....死ぬことについて、どう思ってる?」 「どうって....」 この時の拓誠の言ってることの意図は正直分からなかった。 でも、何故か。この時だけは、拓誠の顔を見ることが出来なかった。
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