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俺は少しづつだが、死に対しての自分の意見を述べた。
「正直、分からない。
だけど、俺は今まで入退院を繰り返して何度も何度も....見てきたから
同じ年頃の友達が死んでいくのを」
「つっ....」
だから何で拓誠が、そんなに悲しそうな表情すんだよ。
すると、拓誠は俺には抱きついてきて涙ながらにこう言った。
「僕は怖いよ....慧音がし....んじゃったら....だって....もう、会えなくなるんだよ?
それでも、慧音は平気?」
後半、声を震わして....こいつは、この言葉を紡ぎ出すのにどれだけ悩んだろうな....
でも、そんなの....
「平気な訳ない....じゃん。俺だって....嫌だよぉ....死にたくないっ」
拓誠は大泣きしながらそう言った、俺の頭を優しく撫でてくれた。
きっと、この時にはもう俺は拓誠のことが好きだったのだろう。
ほんと、この栄拓誠という人間は昔から、優しくてとにかく優しくて。
自分のことよりも他人のことで、泣くことが出来る....そんな奴なんだよな。
だからこそ、モテるし。まぁ、モテるのはルックスもあるんだろうけど。
俺も初めて好きになった人だし。
てか、今。考えると俺達ってクソ生意気なガキだったんだな。
仕方が無いか。だって、この頃には俺は死と隣り合わせの生活をしていたし。
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