第一章

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俺は生まれつき体が弱くて、今までは単に免疫力が無いと診断されていた。 しかし、つい先日。倒れた時に心臓が悪いことが分かって入退院を繰り返していること。 クラスメイトとの間に溝が出来た事などを話した。 てか、今思うとさ。なんで、初対面のお兄さんに話なんかしたのだろうか? ん....謎だ。しかも、あの変態にそんなことを話していたのだから。 でも、当時は....拓誠や家族に言って心配かけたく無かったんだよな。 どうせ、今だけの関係に過ぎないこの人になら話せるって思ったんだろうな。 誰かに聞いて欲しかったんだよな。 そのことをひとしきり話すとお兄さんは、立っている俺に近づいて来て抱きしめてきた。 「辛かったよな....ごめん。無神経なこと、聞いて。」 「べ....別に、良い....」 その時。何故か、胸がドキドキしたのを覚えている。 まぁ。単に、嬉しかったんだろうな。誰にも、相談出来ずにいたことを相談出来て。 それからというもの。お兄さんは、ちょくちょく俺の病室に遊びに来てくれた。 その度に、怪我が増えていたような気がするが....。 当時は、高校生の癖に転ぶのかよ。とか、思ってたな。 今、思うと違うだろうけど。だってあの制服は確か、有名な不良高校のだったから。
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