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俺にとって拓誠は、全てだった。
毒ばっか吐くし、文句ばっか言ってくる。
だけど、絶対に相手が本気で傷つくことは言わない。
寧ろ、そういう奴には徹底的に暴言を吐く。
だって、そうすれば言われている方が霞んで見えて、自分に来るようになるだろう?
拓誠は敢えて、そうやって自分を悪く見せるそういう奴なんだよ。
最初は、なんて強いんだって思って、尊敬までしていた。
だけど、拓誠が人の居ない所で泣いている所を見て、守りたいって本気で思ったし、好きだって想った。
それに、仲良くなっていく内にだんだんと、俺にもそうゆう弱い部分を見せるようになった。
だから、俺だけにそんな弱い部分見せられたら勘違いしてしまうじゃん....。
もしかしたら!って....なのに、あっさりといきなり現れた嵯峨凪響に持ってかれるとか....
でも、何故か。おめでとうとは、思ったけど悔しいとは思わなかった。
思えなかったんだ....。
まぁ、あいつに出逢う前の俺なら怒ったであろう、凪響の暴言もイラッとはした。
だけど、拓誠を幸せにしろよっ!
ぐらいの、親友としての一言しか出なかった。
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