プロローグ

2/3
185人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
俺にとって拓誠は、全てだった。 毒ばっか吐くし、文句ばっか言ってくる。 だけど、絶対に相手が本気で傷つくことは言わない。 寧ろ、そういう奴には徹底的に暴言を吐く。 だって、そうすれば言われている方が霞んで見えて、自分に来るようになるだろう? 拓誠は敢えて、そうやって自分を悪く見せるそういう奴なんだよ。 最初は、なんて強いんだって思って、尊敬までしていた。 だけど、拓誠が人の居ない所で泣いている所を見て、守りたいって本気で思ったし、好きだって想った。 それに、仲良くなっていく内にだんだんと、俺にもそうゆう弱い部分を見せるようになった。 だから、俺だけにそんな弱い部分見せられたら勘違いしてしまうじゃん....。 もしかしたら!って....なのに、あっさりといきなり現れた嵯峨凪響に持ってかれるとか.... でも、何故か。おめでとうとは、思ったけど悔しいとは思わなかった。 思えなかったんだ....。 まぁ、あいつに出逢う前の俺なら怒ったであろう、凪響の暴言もイラッとはした。 だけど、拓誠を幸せにしろよっ! ぐらいの、親友としての一言しか出なかった。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!